“ターミナル”、“チップジャック”について --- 後編 : チップジャック
チップジャックって?
弊社においては、チップジャックは(TJ)という型番をとっています。 これもまた端子台のように電気的接続のための器具の一つで、ターミナル(T)や、コネクターと通ずるところもあります。
チップジャックの型番 TJ を英語で表すと、先頭の文字がTなので、TipとJackとなりそうですが諸説あり、意味的にはChipもありなのでは?と、一部では囁かれています。日本語の発音では Tip も Chip も「チップ」ですが、ここでは、のちほど話をそらしやすい 「Chip」 説に沿って、話を進めていきたいと思います。
チップジャックは、チップとジャックをまとめて呼ぶときの名称で、通常、オス側がチップ、メス側がジャックと呼ばれます。しかし、標準的な名称は決まっておらず、メーカーによって独自に異なる名称を付けているようです。
用途としては、ターミナルにバナナプラグを接続する場合に似ています。異なるのは、ジャックに対して、ある特定のチップ(プラグ)しか適合しないということです。ジャックを筐体側に取付け、電線の先に付けたチップを差し込んで使用します。家電(例えば扇風機)のプラグを壁のコンセントに差し込むのをイメージして、プラグをチップ、コンセントをジャックと考えると分かりやすいと思います。ジャックを筐体に取り付けず、中継用としているものもあり、その場合はチップジャック=中継コネクターということになります。
ここで、ターミナルと同様に、チップジャックは、コンセント、コネクター、差込み接続器に似ていると感じたかもしれません。そうなんです、これもまた姿を変えてはいますが、機能的にはほぼ同じなんです。「こっちとあっちをつなぐ」という大きなくくりにおいては同じなんです。
さて、ここらでコーヒーブレーク(話の脱線タイム)です。
チップ【chip】ですが、もともと、こっぱ、切れ端、削りくず、小片、薄切り、などを言います。最も身近なものとしては、ポテトチップス(バナナチップも、、、)があります。また、燻製を作るときに使うチップや、紙の原料となるパルプは木を【小片】に加工した【チップ】が原料となっています。なお、チップはチップでも、レストランやホテルなどでのチップ(心付け)として相手に渡すお金の場合は、【chip】ではなく【tip】のほうです。
ちなみに、ディズニーのキャラクター、チップとデールの名前の由来は、上記の【chip】ではなく、「トーマス・チッペンデール」という、イングランド北西部出身の家具職人で、庶民のために安価な家具を作ったことで有名な方のお名前から来ているという説が有力なものの一つだそうです。(筆者は、何が正解かは知りません。)
繰り返しになりますが、弊社ではバナナプラグと呼んでいるものを別名としてバナナチップと呼ぶ場合があります。最初のところでチップジャックのオス側をチップと呼ぶと書きましたが、バナナプラグ=バナナチップとすると、チップジャックは、プラグジャックと呼べるのでは?と、なんとなくつながりが見えてきます。 電気部品って、たくさんあるようですが実はほとんどが似通っていて、一つのものを異なる名前で呼んだり、異なるものを同じ名前で呼んだりしているというケースが結構あります。
ジャック【jack】のほうは、トランプの絵札11=ジャックや、 電器を接続するための差し込み口、例:「イヤホンジャック」、重いものを持ち上げるジャッキ、などのほか、いくつかありますが置いといて、、、、、さらに大きく脱線することにします。
ハイジャックとバスジャックのお話
余談ですが、ハイジャック。そうです、あのハイジャックです。
「ハイジャック」という言葉の「ハイ」は高いhighでなく、呼びかける言葉「ハーイ」だそうです。Hi, Jack!(ハーイ、ジャック)という呼びかけ説が有力。そう呼びかけて、乗っ取りや強盗に及んだのだそうです。ちなみにジャックという名前は英語圏ではポピュラーな名前なので使われたようです。(あまり歓迎できる話ではありませんが、一昔前の日本ですと、さしずめハーイ、太郎、とか、ハーイ、花子。などとなったのでしょうか。)バスジャックでも列車ジャックでも航空機ジャック?でも英語ではみんな同じでhijackなのだそうです。ただし空のjackでは、skyjackという言葉もあるとのこと。バスジャック、電波ジャック、番組ジャックなどはハイジャックのハイをhigh(高い、、、空?)と考えたため、highの部分をバスに変えたり電波に変えたりして日本独自に作られたものらしいです。和製英語ってやつですかね?(これも諸説あるようですが、、、)
ちなみにハイジャックのジャックと、電気部品のジャックとの関係は分かりません。
ジャック(名前)について、時間があるので、もう少しだけ話を聞いてもいいよとおっしゃる方は、一番最後に【おまけ】として加筆しましたので、読んでみてください。
お客様の声から生まれた TJ-100 という製品
(写真6)--- TJ-100
さて、ここからPRになりますが、TJ-100という製品があります。 前回、≪≪≪ターミナル”、“チップジャック”について --- 前編: ターミナル≫≫≫にてご紹介しましたオレンジ色の楕円で囲まれた接続の相関図において、バナナプラグ、Y型端子、Φ2ピンプラグの3種類を現場で自在に交換して対応できるものです。基本に、TJ-100(写真6)があり、その先端にねじ式で交換できるアタッチメントが取り付けられます。アタッチメントは3種類あり、TJ-100-KA(写真7)がY型端子、TJ-100-KB(写真8)がバナナプラグ、TJ-100-KC(写真9)がΦ2のピンプラグです。組合せとしては、(写真10)のように現場で組み換えができます。(KISEKAEチップと呼んでいます) なお、KISEKAEは、「着せ替え」 から来ています --- 内緒です。
3種のアタッチメント(各型番にはサフィックスが付きます)
(写真7)--- TJ-100-KA
(写真8)--- TJ-100-KB
(写真9)--- TJ-100-KC
(写真10)--- TJ-100 &左から TJ-100-KB, TJ-100-KA, TJ-100-KC
この製品は、「接続する相手に合わせて何本もの線を持ち歩かねばならず、荷物になって大変だ。その場で先だけ交換出来たら助かるのだが、、、。」という現場の方々からの声をいただき、生まれたものです。
おまけの小話 --- おつきあいくださり、ありがとうございます
【おまけ】--- ジャック(名前)について ジャックというのは、ジョンの短縮形(愛称)で、他にもジャッキーやジョニーというのが短縮形としてあります。ちなみにジョニーデップは、ジョン・クリストファー・ジョニー・デップ2世が正式名で、父親がジョン・クリストファー・デップだそうです。 ジャックという名前は英語圏ではポピュラーな名前であると、先に書いていますが、ジョンという名前が、聖書の人名ヨハネに由来する英語圏の男性名だそうですので、キリスト教圏には多くいても不思議はないですね。
ちなみに、女性の場合は、ジェーンとか、ジョーンとなるようです。 これを読んでくださっている方の中には、「そういえば、ジャッキー○○やジョニー○○、ジェーン○○とか、ジョーン○○などという名前があったな」と思われている方がいらっしゃるのではないでしょうか? 私が知っている範囲では(年がばれるかもしれません)、ジョン・ウエイン、ジョン・トラボルタ、ジョン・デンバー、ジョン・コルトレーン、ジョン・F・ケネディ(JFK)、ジョン・マッケンロー、ジョン・カビラ、ジョン・万次郎、エルトン・ジョン、そして多くの人が知っている元ビートルズのメンバーであるジョン・レノンなど、たくさんの方々が出てきますがこのへんで打ち止めといたします。皆様も、このうちの一人や二人は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?
第35代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディ氏は、 本名をJohn Fitzgerald Kennedyといい、頭文字をとって、JFKと呼ばれていましたが、ジャックとも呼ばれていたそうですから、遠くからJFK氏に向かって、ハーイ、ジャックと呼んだ人もいるとかいないとか。
なんと、本編よりも脱線部分のほうが長くなってしまいましたね。つまらない話にお付き合いくださり、ありがとうございました。