1. サトーパーツ株式会社
  2. サトーパーツの部屋
  3. 端子台って何でしょうか?

豆知識

端子台って何でしょうか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
端子台って何でしょうか?

端子台って何でしょうか?

 電線と電線、電線とプリント基板など、電路を形成する上での中継を行うためのパーツを言います。JIS規格における定義は次のようなものです。
「端子組立品を絶縁部品に組み合わせた構造で、支持体に固定できる電気的接続のための器具」。

ねじ式端子台

(写真1)

 

 一例として(写真1)がありますが、上側のねじ部と下側の金具にそれぞれ電線を接続すれば、中継が成り立ちます。一般に端子台には方向性・極性はありません。多くの場合一方から他方に電流が流れますが、多岐にわたる形、大きさ、使い方があります。

 

端子台ってどんなものがあるのでしょうか?

 サトーパーツの端子台には、構造的に大きく分けて3種類のものがあります。

  1. ねじ式端子台
  2. スクリューレス端子台(ねじなし端子台)
  3. ラグ端子台

 ※弊社の型番、Lシリーズのラグ板も端子台の一種と考えられます。

以下にそれぞれをご紹介します。

1)ねじ式端子台

ねじ式端子台

ねじ端子-
差込端子兼はんだ付け用端子
(ML-40-S1AXF)

 名前のとおり、ねじによって結線するものの総称です。左の写真の例ですと被覆を剥いた電線もしくは圧着端子等を付けた線をねじで締め付けることによって接続します。下部ははんだ付け用の端子になっていますのではんだによって線を接続します。
PC端子=プリント基板用もあります。

 他のねじ式端子台の例(弊社の型番にはそれぞれサフィックスが付きます)

ML-20

ねじ端子-ねじ端子
(ML-20)

ML-250-S2GYF

ねじ端子-プリント基板用端子
(ML-250-S2GYF)

ML-5300-M4

ねじ端子-ねじ端子
(ML-5300-M4)※パネル貫通型

2)スクリューレス端子台(ねじなし端子台)

スクリューレス端子台

スクリューレス端子-スクリューレス端子
(ML-7000)

 スクリューレス端子台(ねじなし端子台)は、文字通りねじをなくした端子台で、ねじの代わりにリーフスプリング(板ばね)の圧力を用いて接続を行っています。スプリングは常に状況の変化に追従するため、緩むことが無く増し締めは不要です。通常、ボタンを押すことで内部のスプリングを開いた状態にしておいて線を挿入し、ボタンを離す(戻す)だけで接続が完了するという「簡単結線」も特徴の一つです。また、ボタンを押す際に専用工具は不要でボタンを押せるものがあれば何でも構いません。

 スクリューレス端子台も、ねじ式端子台と同様に線の中継用、プリント基板用、差込み端子などがあります。

スクリューレス端子台

スクリューレス端子-
プリント基板用端子
(ML-700-NV)

スクリューレス端子台

スクリューレス端子-
差込端子兼はんだ付け用端子
(SL-8000)※パネル貫通型

 他のスクリューレス端子台の例(弊社の型番にはそれぞれサフィックスが付きます)

スクリューレス端子台

スクリューレス端子-スクリューレス端子
(ML-1700-A)

スクリューレス端子台

スクリューレス端子-スクリューレス端子
(SL-4000-AS)※コネクタタイプ

スクリューレス端子台

スクリューレス端子-スクリューレス端子
(ML-3000-4P)

3)ラグ端子台

ラグ端子台

(ML-18)

 絶縁物の台にラグ端子を固定したもので、はんだ付けにより線を接続します。この場合「IN」と「OUT」が共通の端子となっており、線と線をはんだ付けにて接続し、それがそのまま放置されていると危険なので固定するというイメージになります。または、回路上で使わない線を固定しておいたりするときに電線の終端用としても使われます。また、トランスの電圧切替用タップを接続しておいて配線変更により、切り替えが必要なときなどにも使われます。

 ラグ板の歴史はとても長く、真空管全盛時以来ずっと現役として活躍しています。
二列のもの(写真2)と単列のもの(写真3)とがありますが使い方は大きく変わりません。ねじ式やスクリューレスの様に一度配線したら変更することがないか、少ないときに適しており、コスト的なメリットもあります。

ラグ式端子台

(写真2)

ラグ式端子台

(写真3)

ねじ式端子台とスクリューレス端子台って、どう違うのでしょう?

 

ねじ式端子台 スクリューレス端子台
 ねじ導体(電線、圧着端子等)を直接・間接的に締め付ける  リーフスプリングの反発力を利用して電線を押さえつける
 電線を接続した際の接触圧と接触面積が大きく、比較的大きな電流を流せる。  構造上、接触圧と面積が、やや限定的であることから流せる電流がねじ式に比べ控え目で小電流から中電流領域を得意とする。
 接続電線の塑性変形(注1)や振動などにより、時間の経過によるゆるみが生じることがあり、定期的な増し締めが必要。  基本的にリーフスプリングの圧力が常時働いており、電線の塑性変形(注1)があってもそれに自動的に追従するため増し締めが不要でメンテナンスフリー。
 電線接続完了までの工程が多く、時間がかかりがち  電線接続完了までの工程がシンプルで、時間が短縮できる
 信頼性に関するウエイトがねじの締め付けに大きくかかっており、作業者によって接続状態にばらつきが生じやすい。  基本的に作業者の熟練は不要で、端子台側での構造で接続の品位がほぼ決まるため、誰が接続しても均一になりばらつきが生じ難い。
 ねじの物理的な大きさにより、小型化が難しい。  端子ねじサイズによる制約がなく、ねじ式に比べて小型化が可能。
 多くの場合、充電部(注2)が露出しており、感電防止構造ではない。  充電部(注2)の露出がなく、特別な方法を用いることなく基本的に感電防止構造である。


(注1)加わっている力を取り除いても、形が元に戻らないような変形。これに対し例えばゴムのようなものは、元の形に戻り「弾性変形」という。
(注2)電圧がかかっている金属部分のことを指します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お客様相談窓口

0120-70-7215

対応時間:当社営業日の 9時~17時