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豆知識

初めて使うLED表示灯

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初めて使うLED表示灯

弊社製品の型番は〔DB-〕から始まります

  弊社のDB-から始まる型番の製品は、発光素子にLED(発光ダイオード)を使用した表示灯(表示ランプ/パイロットランプ)です。(以下、DBと表記いたします)  その代表的な構造は、使用時に取付パネル表面に取付けられる部分を備えた【本体】と、その本体に組み込まれた【LED球】、LED球を一定の位置に保持するための【絶縁座】とパネルへの【固定手段】(ナットなど)とで構成されています。

  実際の使用にあたっては、LED球に電流を流すことで発光させますが、使用する電圧と、流そうとする電流によって計算から得られる保護抵抗(電流制限用抵抗=保護抵抗・・・後述)を直列に付加することが必要となります。  面倒な計算などしないで使いたいというときは、弊社ウェブサイトの個別商品ページに、使用電圧に応じた抵抗値をあらかじめ計算した結果を 【保護抵抗早見表】 として掲載しておりますので、それをご利用いただくと簡単です。  

DB-の構造

DB-2 縦断面図

DB-2 縦断面図

 

  DBの代表的な構造は、左図のようになっています。  左の図において、 ① 端子(+の電圧をかける側。相対的に長い側。アノード。)、 ② LEDランプ本体部、  ③ 端子(-の側。相対的に短い側。カソード) とありますが、①, ②, ③を合わせて単にLEDと言ったり、LED球、あるいはLEDランプ、LED素子と言ったりもしますが、LED素子と呼ぶのはある意味正しくはありません。 また、形が砲弾に似ているため、【砲弾型】のLEDと呼ばれることもありますが、以下において、単純にLED球と呼ぶことにします。
    LED球を発光させるには電流を流す必要がありますが、① → ② → ③ の方向に直流電流を流します。これについては後ほど、使い方のところにも記されています。  逆向きの電圧、すなわち③ → ② → ①の方向に電流を流そうとすると簡単に壊れてしまいますので注意が必要です。 -----  誤配線にはくれぐれもご注意ください。

本 体

本 体

本 体

 

  大きく分けて、無色透明な合成樹脂を基本に、用途に適した着色を行い、成型したものを〔樹脂本体〕として使用するものと、金属を切削加工して〔金属本体〕として使用するもの(断面図のもの)の二種類があります。  金属本体のものは、砲弾型をしたLED球が表面に露出した形のものがほとんどで、LED球の発光そのものが表示灯の光となります。  また、樹脂本体のものは、一部の製品を除いてLED球が本体内に収納されており、LED球の発光を樹脂の本体を通して見ることになります。  なお、LED球が本体内にあることで、表面からの水等が入りにくい構造になっていますが、取付用のねじ部について、Oリング(オーリング)やゴムワッシャーなど、特別に水などの侵入を防ぐ手段は施していませんので、「防水・防塵品」とはなっておりません。

LED球

LED球

LED球

 

  LEDは、Light Emitting Diodeを略した呼称で、日本語にすると、光放出ダイオード~発光ダイオードとなります。 ダイオードというと、もっぱらLEDのことを指すように感じる方もおられるかもしれませんが、本来、ダイオードというのは、語源としては、ギリシャ語の数を表す接頭語である「1/mono(モノ)-」 「2/di(ジ)-(ダイ)という英語読みもあります」 「3/tri(トリ)-」、、、などの、2から来ています。 ダイオードは「di=2」と英語の「electrode=電極」を組合わせたもので、「2つの極」を表わしています。
  ほかに同様な名前の付け方で、あまり歓迎されない物質ではありますが、ダイオキシンもあります。(ジオキシン(dioxin)の英語読みで、かなり省略した表現になりますが、酸素原子2個を含み二重結合が2個ある形のものということで、「2」のオンパレードです。) でも、スクリーンの世界のダイハードは、ダイオードと文字列が似てはいますが、1でも、2でも、3でもなく、まったく無関係です。(あたりまえですね)

  ついでに数に関する語源について得意の脱線をすると、「1/mono(モノ)-」の入った言葉は、モノトーンや、モノレール、モノクロ、(モノクローム)、モノづくり(これはどう考えても違うやろ!)、「2/di(ジ)-」では、ジレンマ、「3/tri(トリ)」では、トライアングル、トライアスロン、さらに、「4」ではテトラとなり、有名なテトラポッド(登録商標)、「5」ではペンタで、あの有名なアメリカのペンタゴンや、カメラブランドのペンタックスなどがあります。
  さらに余談ですが、ペンタックスは、五角形のペンタプリズムを使用したことが由来となっており、ついでにカメラ業界等でのキヤノン社様は、「観音様」--- 数とは関係ない --- から来ています。 ついつい、キャノンと書いていますが「ヤ」は小さい「ャ」ではなく、普通の「ヤ」で書くのが正式なんですね。
  テトラポッドは、往々にしてテトラポットと呼ばれることがありますが、Tetrapodなので「ト」ではなく「ド」です。 テトラポットだと、押すとお湯が出てきてしまいますから、波を消すどころか、”洪水”と火傷への注意が必要ですね。 笑  製品としては、海岸などに設置されている消波(しょうは)用のブロックで、昔、忍者が持っていたマキビシのような形をしたものです。

  参考 : マキビシというのは、撒菱と書き、菱(ヒシ)という水生植物の果実で、鋭いトゲがあるので忍者が追っ手から逃げるときに撒くと効果的だったというものです。 ちなみに中の種は食用になります。 それを、人工的に鉄で作ったのが鉄菱(てつびし)ということなのですが、忍者が活躍していた時代に、鉄で特殊な形をしたものが”量産”され、かつ、忍者がそのような重いものをたくさん携行していたのか?と、筆者は疑問を持たずにはいられません。  少なくとも、撒くのであれば一個や二個では意味がないですし、たくさん持ったら自分で怪我してしまいそうだし、忍者の特徴でもある「敏速・身軽さ」が失われてしまいますから、、、、、ネ‼

  ひし形を三個組み合わせた三菱グループ様の「三菱マーク」も、創業者の菱形の家紋から来ているそうですが、もとをたどると、池や沼、河川に自生する水草の菱がモチーフとなっているということです。

  さらに、トランジスターは、三本足なので「3」の仲間かと思いきや、そうではありませんでした。 トランジスター は Transfer Resistor の 略 で、転送(transfer)する抵抗(resistor)であることからtrans-sistor → transistor となったようです。(諸説あるようです)
  また、数字ではなく、ギリシャ文字としては、アルファ、ベータ、ガンマ、円周率のπ(パイ)やΣ(シグマ)など身の回りに結構使われていますね。 そういえば、あのいやなオミクロン株の〈オミクロン〉もギリシャ文字でしたね。

ダイオードの話に戻しましょう

真空管と真空管アンプ

真空管(上)と真空管アンプ(下)

 

  一般にダイオードというと、すぐに、LEDが思い浮かぶのですが、先に書いたようにダイオードというのはもともと、2極のことであって、LEDはダイオード(2極のもの)のうちの一部でしかありません。 ですから、現在は、ほぼ特殊な用途以外には見かけなくなった真空管(ガラスのチューブの中に電極を配置し、いわゆる真空にしたもの)においてもその極数が2のものをダイオードと呼び、現在多くの種類がある、真空管ではないダイオードのことを、区別して「半導体ダイオード」と言います。 ただ、現在では真空管はごく限られた用途にしかないため、半導体ダイオードのことを単にダイオードと呼んだりもしています。
 
  真空管アンプの超特殊な?用途 真空管は、電子を飛び出させる必要があるため、内部に組み込まれたヒーターで陰極を高温にしています。 そのためガラスの表面は触れないほどの温度になっていますが、少し距離をとると結構「暖かい」のです。  ということで、本来の用途とはかけ離れていますが、机の下に置き、上方に金網を乗せて冬場の足温器として使う人もいたほどです。 つまり、余熱の利用ということで、エコだったわけですね。 金網といっても、餅が焼けるほど熱くはなりませんので、安全性もまずまずです。(根気よくやれば焼けないこともありませんが。)
  「でも、夏場はどうする?」ってのは?、、、、、。 遠ざけるか、我慢するしかありませんでした。

ようやく本題の使い方です

基本点灯回路

基本点灯回路

 

  DB-表示灯の使い方を簡単にご紹介いたしませう。
  【説明】 ・基本的にLEDは極性を持った直流用の素子です。  点灯回路などを工夫することで交流(AC)で使うことも出来ますが、基本的には直流(DC)専用となります。
  使う上での、最小限だいじな要素をあげますと、
ア)直流電源下で使用する。
イ)電源電圧、推奨動作電流、順電圧VFの三要素から、
  必要な保護抵抗値を計算し、DBに直列に挿入する。

  (抵抗は最初のところの断面図にて、①、➂の何れかの端子に直列に接続します)
  特に大事なのは、この二つですが、壊さないために以下のことにも注意が必要となります。
ウ)極性があり逆向きの電圧をかけると壊れるということを忘れずに!(特に気をつけねばなりません。)


またよけいなエピソードです  (お時間に余裕のない方は、飛ばして次にお進みください)

・LEDについては経験談として余計なお話があります : 筆者版「知らぬが仏

  筆者がまだ小学生で兄からの影響を強く受け、電気工作小僧をやっていたころ、ある秋晴れの日曜日の午後に、せっせと貯めた小遣いを握りしめて、ある部品を買うために「るんるん」と言いながら約一時間の道のりをドロップハンドル自転車のギアをトップに入れてペダルを漕ぎ、自宅から颯爽と(?)秋葉原の電気街へと向かいました。
  ある部品というのは、そう、LEDのパイロットランプでした。 そのころは、特にサトーパーツを意識していたわけではなかったのですが、パーツのセルフ店といえば何も言わずともサトーパーツということで、知らないうちにサトーパーツの表示灯を買っていました。 言わばいつのまにかサトーパーツの「小さなお客さん」の一人になっていたわけです。
(ヒューズホルダーや、ケミコン、整流用ダイオードブリッジなども一緒に買いましたが、当時、金欠病を患っていたので複数のお店を回り、一番安いところで購入したので、物によって異なるお店で会計。)


  ここまでは、前置きでして、お話ししたいのは次のような失敗談です。
  いままで、LEDを使ったことがなかった筆者は、セルフ販売店のオヤジさんにどうやって使うのかを教えてもらいました。 その内容は、「12Vで使うなら、どっちかの端子に直列に1kΩぐらいの抵抗をつければいいよ。」と、今考えるととてもアバウトなものでしたが、それは言葉は短くても的確なもので実に的を射たものでした。 さすが部品専門店のオヤジさんです。  しかし、しかしですよ。 早合点した筆者は大きな失敗をやらかします。  通常、ダイオードには整流作用があるので、交流で使っても自分自身で自動的に直流(実際には半波の脈流)になるのではないかということで、交流回路にそのまま使用しました。 持ち合わせていた生半可な余計な知識(浅知恵)が、そうさせてしまったのです。

  結果は、スイッチON後、一瞬だけピカッと光ってすぐに消えました。 見事に壊れました。 なけなしのお金で買った部品がパーになった瞬間でした。  アメ玉でも、5分間ぐらいは楽しめるのに、文字通り瞬く間にオシャカになってしまいました。
  「オヤジさーん、壊れちゃったよ」と電話で訴えかけましたが、「そりゃあそうだよ」といって、とても丁寧にその原因を説明してくれたのを覚えています。 その後、同様の失敗は一切ないだけでなく、仲間にも〈知ったかぶり〉をして、得意げに説明をしていた少年が誕生したのです。  これは、逆方向に電圧をかけてしまった結果の破損です。 やっぱり逆方向電圧には注意が必要ですね。

保護抵抗の必要性とその値の計算

・市場には、あらかじめ保護抵抗を組み込んだものもあり、DC6V、DC12Vなど、既定の電圧専用で、そのまま使えるものもありますが、弊社の表示灯(型番DB)については、ご使用時に保護抵抗を付加することが必要となります。 抵抗内蔵済みのものは、入手した状態で電源に直結すれば使えますが、ある特定の電圧で使いたい時などにはちょっと困ります。(そのままでは使えませんが手を加えれば使用可能となることもあります。)

弊社のDBは、保護抵抗がついておりませんので、必ず付ける必要がありますが、どのような電圧でも使用が可能で、電流値を加減して、好みの明るさに調整して使うこともできます。 ただし、ある電圧以下では点灯しませんので、余裕を見込んで少なくとも3~4V以上、青色では4〜5V以上での使用をお勧めします。(簡単にいえば、LEDには、順電圧(VF)という、これ以下では発光しませんよ=意図した電流が流れませんよという電圧がありますので、それ以上で使うことになります。)

・厳密にいえば安定性の点では、使用電圧はより高いほうが有利ですし、どのような電圧でも使用が可能といっても、適した範囲というものはあります。(機会があればご説明したいと思います。)

Vfを引くイメージ図

【保護抵抗の計算方法】

下記の簡単な計算式で求められます。
  抵抗、電圧、電流の関係を図にすると上図のようになります。 ここに書かれた式は、I = E/R ですが、変形してR = E/I が導かれます。

  保護抵抗(R)=〔電源電圧(E) ー 順電圧(V) 〕/ 電流(I)

  単位は、抵抗値(Ω=オーム)、電圧(V=ボルト)、電流(A=アンペア)。 なお、VFは、個々の製品の特性表に記載があります。   弊社のものでは、ごく大まかにいえば、赤、黄、オレンジ、緑が2V程度、青では3.3Vほどです。

  作業としては電源電圧から順電圧を引いたものを電流値で割るだけです。 超有名な オームの法則 そのものですね。 順電圧を引くのは、簡単に言えば、順電圧は、5Vで使っても、12Vで使っても、いかなる電圧で使用する場合も、LEDが点灯する際に必要とする共通の電圧であり変わりません。 で、その分の電圧は電流の大きさには寄与しないからです。 上の図をご覧ください。 イメージとしては、台の上に乗った人の、台を含めた高さが回路電圧に相当し、台の高さがVFと考えると、回路電圧からVFを差し引けばもともとの身の丈が求められるみたいな、、、、で、、、、うーん、良い例えが見つかりません。 なにか、この《男の子に電気を流しちゃう》みたいな感じの図と言い方で、かえって分かりにくくなってしまったかもしれませんね。m(_ _ )m

  上記の式を用いて計算した結果がWebサイトの製品ページに掲載されている 【保護抵抗早見表】 です。 この表の抵抗値は、実際の計算値とは少し異なりますが、市販されている抵抗の値が、とびとびであることによります。  そんなに簡単に言われても分からないよ! という方もおられるかも知れませんので、抵抗のことや、実際の計算例など、別の機会に少し詳しくお伝えしたいと思います。

表示灯と照明器具

  話は、DB(表示灯/パイロットランプ)の世界で進めてきましたが、ちょっとそこから飛び出して、照明と比べてみましょう。

  表示灯と照明は、どちらも光を発するといった点では同じですが、大きな違いがあります。 どちらも、その名のとおりなのですが、
表示灯はパイロットランプなどと呼ばれるように、あくまでも、電源等がON状態かどうか、機器等が通電されている状態か否かを視覚的に確認(表示)するためのものであって、その明るさ自体はさして重要ではありません。 むしろ、眩しくない暗めのほうが求められることも少なくありません

・一方、照明は文字通り明るく照らすためのもので、明るさや、色合いが重要な要素となります。 そのため、照明では明るさ(ルーメン)を明記してあったり、間接的に明るさを連想できるW値(ワット値)を表示してあったりしますし、色温度(ケルビン)と呼ばれるいわゆる、赤味がかったとか、青味がかったというような色味がわかる数字が示されていることが多いのですが、表示灯では、明るさを示すような表示はあまり見かけません。
  
  また、PSE(電気用品安全法)においては、両者の扱いに明確な差があります。  どちらも光るという共通項はあるのですが、用途として照明は明るく照らすという大きな目的を持ち、単独で【電器】製品として商用電源(交流)に直結設置されることが多いのに対して、表示灯は通電状態を表示するための、補助的かつ限定的な機能であり、一般に直流・低電圧で使用されたり、機器等に組み込まれることも多く、その際には機器として、その安全性や性能の確認が可能なこともあり、弊社のDBのようなLED表示灯はPSE対象外、一般商用電源に使われるLED照明器具は対象とされています。 しかし、対象外品であっても対象の機器に組み込まれて使用されれば、機器の一部として、法の規定に適合することが求められることになり、決して軽く見ることはできないものでもあります。
  なお、弊社製品のBN-から始まる型番のネオン球を用いた表示灯も、商用電源に直結することも可能ですが、PSE対象外となっております。
  PSEでは、これら以外の製品等においても、基本的に直流(DC)用のものは、対象外とされています。


今回も、最後までお読みくださりありがとうございました。

※ 続編、 『続)初めて使うLED表示灯 --- 抵抗の計算』もよろしくお願いいたします。 こちら をクリックください。

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